Diary
03年05月30日 ガラスのノブ
SPはスペシャルと読んでください。
sp混成軌道とかの勉強はこのロムでやれば分かりやすいんでないの?
と思いましたね、化学を履修した学生にコピーさせてあげればいいのに。
ゴゴギュギュギギ…!!!
はぁうッ!?Σ(゚Д゚|||
お、お腹イッターイ!!!(´Д`;
キリキリキリキリ…
ゴゴゴゴゴロゴロゴゴゴッ…
午前2時ころ… 腹痛で目が覚める。
おトイレにて原因を排除…
するも横になるとまたすぐに腹痛再発。
なんだ、なんだと言うのだ!!
ヨーグルトか、飲むヨーグルトがいけないのか!!
まだ消費期限1日前だぞ…
それとも牛乳か!? 水か!?
いずれにしろ食品に問題があるとしたら大問題ですな…
しかし…
飲むヨーグルト、牛乳、水、グレープフルーツジュースと一時に飲んだのがまずかったと見た!!
Σ(´Д`;それだけ飲みゃァ、アナタ!
睡眠時間が短くなってしまったものの、きちんと6時15分起床。
学生実験の副手代行をしなければならないので遅刻は許されませんよ。
そして、余裕を持って実験室のお隣に到着…
さてー、どんな手順で教えればよいものかまったく分かりませんが…
(だって見りゃわかるだろくらいの気持ちがするし。)
俺に当たってしまったことを不運に思って
諦めろって感じですか?
うーん、せめてS先輩の教え方を見学しておけばヨカッタかなぁ…
ブッツケ本番放置プレイにて実験開始。
テキストとロムの中身見ながらやってねー、と指示。
………。
途中で、この実験は『実験中に書くレポート』があることを思い出してあわてて用紙を探す。
すると実験用具の中に、汚い用紙を発見。
ホントにこんなシミの付いた、しかも折れた紙をレポートにしてよいのか?
と疑問に思って先生に質問すると、実験書についてる紙を使わせるのだと判明。
すると案の定…
テキスト読まずに問題だけ解こうとするアホウが数名。
つーか俺の目の前で『こんなの読まなくていいじゃん』って言うな。
もちろん優しく『ちゃんと読んでねー』とクギを刺す。
そんなことを言った直後… 後ろを見てビックリ。
そこにはS先輩が書いたと思われる説明用ホワイトボードが!!
俺まったく説明ナシで始めちゃいましたが!?(´Д`;
クッソウ! 親切にやってるじゃないかS先輩!!
そんなキャラじゃないだろ!?
Σ(゚Д゚;失礼な!!
かく言う俺は…
俺「〜〜するといいかもねー。」
俺「多分それは〜」
俺「えーーーーとね… ………。 ………。 それはね。」
ダメじゃん!!(T□T)
『多分』とか『かも』とか言うな! 心配になるだろ、学生が!!
実験開始から1時間…
一番早い班はメタノールと酢酸の分子モデルを作成してます。
つついて見たところ、問題が解けてるだけで、理解してないと見たが。
ていうか2人組みの班なんだが、片割れが全く考えてないと見た。
もう片方だけがテキパキと解いてて、すぐ俺に質問して来たし。
つーか理解してないの俺のせい?(´Д`;
違うよな。
一番遅い班はと言うと…
開始10分後からまったく進んでない班発見。
なにやってたのコイツラ!?(゚Д゚;
気付きませんでした…
なんで? その班だけ気に留めなかったか俺。
あまりに進んでないので声をかけると…
学生「スピン量子数ってなんですか?」
I don't know!!(わかりません)
スピン量子数〜ッ!?
量子化学を学んだことがねー俺にわかるかっつーの!!
つーかこのテキストにスピン量子数の説明載ってないでしょ!?
疑問に思うのはいいけど…
ずっと悩んでても分かるはずないでしょ!?
説明がまったくもって載ってないんだからッ!!!(`Д´)ノ
俺「ここでは言葉だけを、『用語』として…『そういうもの』と思うしかないね。」
学生「意味わかんないんですけど。」
俺「………。」
いや、だから… 『用語』として捉えておけって言ったじゃん。
助けて先輩〜!!(T□T)
い、いや、ダメだ、ここは分かってるフリしないとダメよ!!
このまま放置しておくと、ずっと『スピン量子数』にコダワリ続けそうなので、
彼の疑問に全て答えていく。
spdf軌道を分類している用語についてはなんとか納得させ…
なんとか量子化学を知らないと分からないような用語説明を回避。
あとは化学の基本にのっとって適切に説明していく。
俺が見回りしていなかったので、一番進んでいた班以外も一緒に遅くなっていく。
間違いなくこの班が反応律速ですね。
そうしているうちに、一番早い班は終了…
1時間半あまり…ということは全授業時間の半分で終わったということ。
フゥ… あと4班か…
ここの班の彼以外は特に疑問にも思わず続けているようで…
ある意味すごくダメなんだが、ある意味すごくイイ!!!
教えてる意味がまったくない気がするが、
それは彼等が後々苦労するだけだ、化学のテストで。
軌道の勉強するにはホンッともってこいの実験なんだけどねぇ… うーん…
面白いと思うんだけどねー、この実験も。
なんとか頑張って問題用紙の裏に進んだ彼。
ココの問題は簡単だから大丈夫だろうと思って他の3班を巡視。
すると、すでに実験終了した班のヤツが、答えを教えてしまっている。
そういうコトされるとホント困るなぁ… 教える立場になって気付く。
というわけでペナルティにその問題について質問攻め。
俺「ここの結合って何結合?」
学生「………。」
俺「単結合? 二重結合? 三重結合?」
学生「に… ニ重?」
俺「当てずっぽだろ…(´Д`; 合ってるけど。
んーじゃ、この炭素は何混成軌道よ? sp? sp2? sp3?」
学生「…sp!!」
俺「spは直線だぞぉ〜… 形をみなよ形を。」
学生「sp2?」
俺「(なんか消去法で答えられてる気が…)
じゃーねぇ… σ結合は何個ある?」
学生「1個!!」
俺「σ結合の説明、ちゃんと見てないだろ… コレは7個!!」
いや、俺のせいじゃない… 俺のせいじゃない…
覚えようという気がないからだ、きっとそうだ、きっとそうだ。
付きっ切りで解説しながら解かせた方がいいんじゃないのコレ?
たらい回しで解説してても身に付かない気が…
さて、さっきの彼はどこまで進んだかな?
進んでません。(゚Д゚;
ちょ、ちょっと待て… 指示に従って表示させた画像を…
丸写しすれば書ける問題じゃないかコレ…?
学生「これは何を書くんですか?」
俺「い、いや、何って… 軌道の重なりの様子を書くんだヨ?(´Д`;」
学生「どの図を書くんですか?」
俺「………。」
あの… それって直に答え聞いてませんか?
ていうかこの彼の相棒…
あとで知ったんだけど、これが初めての実験らしくて、要領を得ずに停止状態。
なるほどね… だからこんなに遅くなるのね… と納得、この時点では知らなかったが。
俺「結合の重なりの様子ってコトはだよ…? うーん…
結合の様子を書けばいいんだけど…」
すみません、自分でもステキな説明してると思いました。( ̄□ ̄)
言わば『秋絃さんって誰?』と言われて『秋絃』と答えているようなモノですヨ。
しかしコレ以上の説明のしかたがあろうか!?
『15滴ってどれくらいですか』に匹敵しないか!?
俺「うー… エタンの結合の仕組みの図、あったでしょ?」
学生「それを写せばいいんですか?」
この野郎の言い方、とても返答し辛い言い方ばっかりです。
『うん』って言ったら答え教えることになるじゃないですか。
俺「とにかく良く見てごらん。」
苦しい返事。
そして、エチレンの方を先にみつけて問題用紙に書き写していく。
そして、σ結合の部分に『σ』と書き込んで…
『6』
俺「………。」
学生「………。シグマって書けません。」
俺「え、えっと… シグマってのはね… 丸書いてチョン…って。」
なんでしょう、一体どうすればいいんでしょう。
まさかそんなトコロまで質問されるとは思ってませんでした。
学生「クソッ、書けねぇよ!! 『Σ』じゃダメですか?」
俺「ダメです。Σ(´Д`;」
学生「………。」
『6』
学生「あー、書けねー! 『シグマ』じゃダメですか?」
俺「いいよ。」σΣ(゚Д゚;いいの!?
しかしそんな彼にも、再び試練が訪れた。
『環の結合は( )によって構成され』
………。
おお、神よ…!!!
あなたは、あなたはなんと残酷なんだ!!!
このカッコの中の答えは『σ結合』ですよ!?
彼にσが書けるとお思いですか?
ムリだ、あんまり過ぎる!!!
学生「…『σ』…」
俺「………。」
『なんていうか… 頭の上にバナナを乗っけたというか?みたいな形』
俺「………。( ̄□ ̄)」
学生「………。( ̄□ ̄)」
『σ』
な、なんと…!!
か、書けた、書けたじゃないか!!(T□T)
学生「じゃぁ、他のも書き直した方がいいですよね。」
俺「うん、うん。」
今、彼は一歩大人になった…
………。
ふう… ヤレヤレ… 彼はマジメなのか不真面目なのかホントわっかんねーなぁ。
実験開始から3時間近く経ったところでようやく彼の班も終了。
この題目でこんなに時間かかる人っているのか?(´Д`;
そして、終わったあと、「ちょっと見なおしてもいいですか?」と言われる。
感動した!!(T□T)
自分の理解が浅いと見ておさらいをしようとするその姿勢…!!
ちょいと付き合って彼が満足するまで教えてあげる。
疲れましたッ!!!
午前中、彼と1時間以上からんだだけあって…
さらに、午後には試験農場にてアオムシの駆除&統計をやっただけあって…
パソコンを立ち上げたままこっくりこっくりと眠りかける。
ああ、眠い。ああ、眠い。
ああ、計算をやらなくては… 計算をやらなくては…
うう、でも眠い… 眠い…
ノブ「先輩。」
俺「はい。」
ノブの一声でなんとか現世に呼び戻される俺。
ノブ「先輩たち眠いみたいだし、コレ(桐山ロート)直しにいきませんか?」
俺「よし行こう。」
こんな眠いときにムリヤリなにかを捻りだそうとしてもダメね。
もっと心に輝きを。意味不明。
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ガスバーナーに着火。
シュオォォォーーーーと青く細い炎が噴き出す。
3つのパーツを組み合わせ、バーナーであぶろうとするノブ。
ノブ「………。」
K先輩「………。」
俺「………。」
今にも分解しそうなロート。
ノブ「ムリっぽいですね。」
K先輩「ムリっぽいね。」
俺「ムリだね。」
と、いうわけで、3つのパーツのうち、『折れた足の一部』にすぎないパーツを放棄。
二つのパーツだけをあぶって接合させようとするノブ。
ピキピキといやな音を立てながらドロドロになっていくロートの接合部。
その様はまさに溶接!!
だんだんと馴染んでいく2つのパーツ。
K先輩「回転させながらあたためた方がいいよ。」
回転させるノブ。
ただし足のパーツだけ。Σ(゚Д゚;
ぐにょん♪ねじれるロート
3人「(゚Д゚;!?」
K先輩「両方まわさなきゃ、ダメだよ。」
ノブ「回さなきゃ、って思ったんですけど… 何やってるんだろ俺。(´Д`;」
ネタ提供だと思いますが何か?
他にも色々笑いどころはあったんですが省略。
オレンジ色のガラスを盛大に混ぜ込んで
マーブルとかスパイラルにしてくれたら書くに値する強力ネタだったんですが。
いや、かなり面白かったんだけど…
その場でロートの無残な変貌振りを見ていないと笑い半減なので書かない。
30分ほどガラスと格闘したころに、S先生がいらして俺を畑に誘う。
…なわけで、一緒に梅狩りをしながら畑へ。
今年は梅の実が少ないようで、ウチの研究室が梅干を作るほど梅は残っていない模様…
S先生が農作業をやっておられる傍ら、俺はヒルガオ殲滅。
黙々とシャベルでヒルガオを薙ぎ払う。
それはもうベルセルクのように。えいッ! えいッ!!
5時になったところで今日はこれくらいにしておこうとS研に戻る。
S先生「流石にもう終わってるよね。」
俺「いえ、多分まだやってますよ。」
ドアをあけるとノブが苦笑していた。
俺「ホラね。Σδ( ̄▽ ̄)」
のどかな一日。
実験ひとつもやってねぇよオイ。
ノブ「もうムリだ。今回は諦めよう…」
俺「………。
思ったんだけど…
小さいパーツをくっつけてからコッチをつければ良かったんじゃない?」
ノブ「(゚Д゚;!!!」
K先輩「俺も思った。」
もう遅い。